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生きた味噌の良さを 【 2種類の味噌ダレ 】
先日、名物の猪鍋の鍋ダレを別のタレと入れ間違える事があり
寸での所で気が付き
間違った物をお出しする事は無かったのですが
お客様を大変お待たせする結果になってしまいました。
お客様は寛大にお許し下すったのですが
その際、お詫び申し上げる私の口から
「 名物で猪鍋をお出ししているのに
これでは看板をあげる事ができません 」という言葉が出ました
本心から出た言葉で
その後、スタッフとその件について話し合いをする中
自分の中で、この味噌ダレが
本当に大切な存在になっているのを
再確認させていただきました。
スタッフにも、その大切さを説いたのですが
自分自身も本当に、その大切さを考えているのか
何日も自問自答でした。
その中で考えた事は
名物という型になってしまって
それが作業になってしまっているのではないか
それが今回のミスに繋がってしまったのではないか
という事です
これからも、名物の名前に留まることなく
味を大切に守りながらも
今日より良いものにしていくという事を
忘れないようにして行きたいと自分に誓いました
その中で以前から考えていた事があります
通常猪鍋には3年以上熟成させた飴色の味噌を使っているのですが
よくお客様に猪鍋に使っている、この味噌を譲って欲しいという
お声をいただきます。
これについて私の思う所では
濃厚な味の猪肉には
独特の熟成香を帯びた味噌が味わいを深めますが
ご家庭で御味噌汁などに使う場合は
素材の香りの立った1年から2年位の味噌が良く
地元の物産店などでも手作り味噌などが売られているので
そちらをお買い求めになるのをおすすめしております。
※もう一つは、当館の自家製味噌は
麹を多く使っているので
甘みが大変強いというのもあります。
その中で2年前の冬に仕込んだ味噌が
これまで仕込んだ味噌の中でも
突出して出来が良く
御宿泊のコース料理などにも
素材を味噌だけで焼いたものなどを
御用意していました。
そこで、その出来の良い新しい味噌を使って
味噌ダレを作って
熟成させた味噌と新しい味噌の
2種類の味の猪鍋を期間限定で
お出ししてみたいと思います。
まだ、微調整をしている段階ですが
ゴールデンウィーク後位には
形にしてみたいと思います。
最初に、名物としての本来の意味と述べましたが
そんなものを作るのは
これまでやってきた物の価値を崩すんじゃないかという事も
ものすごく考えました
それでも、日々味を変化させるのが
味噌の面白さで、それを表現していくのは
本筋から外れた行為ではないと思います。
生きた味噌は味噌蔵から出して空気を入れると
しばらくすると風味や味がグッと変わります
この試みも名物と言う型にはまってしまった自分と湖水亭に
新しい空気を吹き込んでくれるのではないかと考えます。
新しい名物を一から作る様な気持ちで
取り組んでみたいと思いますので
ご意見などいただけると幸いです。
長々と書いてしまいましたが
最後までお読みいただきありがとうございます。

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